移動平均線ってなに?
どうやって使えばいいのかな?
どの設定が効果的なの?
と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、移動平均線の基礎知識から実践的なトレード活用法まで、初心者から上級者まで役立つ内容を徹底解説します。
移動平均線は、トレンドの方向や売買シグナルを判断するのに人気の指標です。
メジャーな指標だからこそ、その意味や使い方を正しく学ぶ必要があります。
では、まず移動平均線とは一体どんな指標なのか、見てみましょう。
移動平均線とは
移動平均線は、過去の一定期間の為替の「終値」を計算して、線で結んだものです。
移動平均線は英語でMoving Averageといい、その頭文字をとって「MA」と表記されることもあります。
これは、テクニカル分析に使われるとてもメジャーな指標で、エントリーのタイミングを判断するのに効果的です。
この移動平均線を基本としている指標には、MA乖離(かいり)、ボリンジャーバンド、一目均衡表などがあります。
また移動平均線には単純、加重、指数平滑の3種類がありますが、この記事ではもっとも一般的な単純移動平均線を紹介します。
移動平均線の計算方法
単純移動平均線は、当日を含めた過去の一定期間の終値の平均値をグラフ化したものです。
たとえば5日移動平均線の場合、直近5日間の終値をすべて足して5で割ると、その日の移動平均レートが計算できます。
これを毎日繰り返した移動平均レートを線で結ぶと、5日移動平均線が完成します。
計算期間は5日、25日、75日、200日などが使われますが、これは固定されているわけではなく、様々な組み合わせが可能です。
また25日や75日でも、足して割る移動平均レートの数が増えるだけで計算方法は同じです。
使用するデータ
移動平均線は5日・25日・75日を使います。
なぜなら、5日は1週間、25日は1ヶ月、75日は3ヶ月になるからです。
1週間は7日ですが、FX市場では月曜〜金曜(土曜早朝)までの5日です。
そして、25日は5週間のため1ヶ月、75日はその3倍で3ヶ月を表しています。
移動平均線は何を判断できる?
移動平均線は、とくに次の2つの判断指標になります。
- 相場のトレンドをつかかむ
- 相場の今後を予測する
相場のトレンドをつかむ
移動平均線の最大の特徴は、相場のトレンドをつかめる点です。
為替レートの動きを平均化すると、チャートのギザギザがなめらかな曲線になり、トレンドをとらえやすくなります。
トレンドには右肩上がりの上昇トレンド、右肩下がりの下降トレンド、横ばいのレンジ相場の3つがあります。
たとえば移動平均線が上向きである場合、終値の上昇が続いているため、上昇トレンドと判断します。
相場の今後の展開を予測する
移動平均線を使えば、上昇・下降トレンドを掴み、今後のチャートのトレンド方向も予測できます。
つまり上昇トレンドならしばらく上昇し、下降トレンドなら下落する可能性が高くなります。
移動平均線を使ってエントリーするなら基本的に順張りで売買しましょう。
移動平均線を使ったチャートの予測方法
移動平均線を使うなら、絶対に知っておいて欲しい見方があります。
それが
- ゴールデンクロス
- デッドクロス
です。
ゴールデンクロス
移動平均線の短期が長期を下から上に突き抜けた状態を、「ゴールデンクロス」と呼びます。
ゴールデンクロスが現れると相場は上昇する可能性が高いため、買いシグナルと判断できます。
ただし、相場には「だまし」があるので、ゴールデンクロスが出ても絶対上昇するとは限らないので注意しましょう。
デッドクロス
短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に向かって突き抜けた状態を、「デッドクロス」と呼びます。
デッドクロスが現れると、為替が下がる可能性が高まるため、売りシグナルと考えられます。
ただし「だまし」がありデッドクロスも必ず当たるとは限らないので、過信すべきではありません。
移動平均線は「だまし」に注意
移動平均線を使うときは、「だまし」に要注意です。
だましが発生する理由は、その仕組み上、移動平均線とチャートにタイムラグが発生するからです。
そのため売買シグナルが現れても、必ずトレンドが発生するとは限りません。
ローソク足から離れたクロスはだましの可能性が高いため、エントリーは避けるべきです。
移動平均線の2つの機能
移動平均線はトレンド系指標ということもあって、次の2つの特長があります。
- 相場の傾向を示す機能
- サポートライン・レジスタンスラインとしての機能
相場の傾向を示す機能
まず、移動平均線とチャートの位置関係から相場の傾向がわかります。
たとえば、移動平均線がチャートの下を推移している場合は、相場(トレンド)が強い状態です。
反対に、移動平均線がチャートの上を推移していると、相場が弱い状態を表します。
相場が強いときは買い、弱いときは売ると勝率が高まります。
サポート・レジスタンスラインとしての機能
ふたつ目は、レジスタンスライン・サポートラインとしての機能です。
「可能な限り安いところで買いたい・高いところで売りたい」
これは世界中のトレーダーの心理状態であり、移動平均線がひとつの指標として売買される傾向があるんです。
たとえばレートが下落基調の場合、その下にある移動平均線へ近づいていくとサポートになりやすく、レートが移動平均線を下抜ければ下降トレンドへの転換点となります。
また逆にレートが上昇基調の場合、その上にある移動平均線へ近づいていけばレジスタンスになりやすく、レートが移動平均線を上抜ければ上昇トレンドへの転換と考えられます。
上記の図では移動平均線がサポートラインとなって、チャートが移動平均線の上側になるように上昇しているのがわかりますね。
グランビルの法則で移動平均線をもっと活用する
移動平均線は、ジョセフ・グランビルが生み出しました。
彼は、移動平均線による以下の8つの法則が売買シグナルになると唱え、グランビルの法則と言われています。
- 移動平均線が下げ止まり、上向きに転じたときに価格が移動平均線を上抜けたとき
- 価格が移動平均線より上にあって、価格が移動平均線に近づいて反発したとき
- 価格が移動平均線を大きく下回ったあと、再び移動平均線に向かって戻るとき
- 移動平均線が上向きで、価格が移動平均線を割り込むがすぐに反発するとき
- 移動平均線が上昇から下向きに転じ、価格が移動平均線を下抜けたとき
- 価格が移動平均線より下にあって、価格が移動平均線に近づいて再び下落したとき
- 価格が移動平均線を大きく上回ったあと、再び移動平均線に近づいて下がるとき
- 移動平均線が下向きで、価格が移動平均線を上抜けるが、再び下落したとき
グランビルの法則は、移動平均線の動きと価格の関係を利用し、売買タイミングを視覚的に捉えやすくします。
シンプルで初心者にもわかりやすい方法であり、トレンドフォロー型の取引に適しています。
移動平均線が使いやすくい、おすすめのFX会社!
最後に、移動平均線と分析機能が使いやすいおすすめのFX会社を3社紹介します。
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移動平均線 まとめ
上記で紹介した「移動平均線に基づくチャート予測」を実践すると、今後は移動平均線の使い方で悩むことが減り、チャート予測の精度を高められます。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- 移動平均線は、過去の一定期間の終値を計算し線で結んだもので、売買シグナルの指標に使わる
- 相場のトレンドを掴み、将来のチャートを予測するのに役立つ
- ゴールデンクロスは買いシグナル、デッドクロスは売りシグナルだが、だましがあるので注意
移動平均線は、他の指標にも応用されるもっとも基本的なテクニカル指標です。
相場の方向や売買タイミングを判断できるので、テクニカル分析において最初に学ぶべき指標だと言えます。
ただし、移動平均線だけで相場のすべてを分析するのは不可能です。
ですから、移動平均線について覚えたら、これを応用したボリンジャーバンドや一目均衡表なども学んでみてくださいね。
複数の指標を組み合わせることで、分析精度を上げられますよ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。