NVIDIAのグラボ、RTX 3060 TiとRTX 4070はどっちがいいんだろう?と迷っている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、それぞれの性能やベンチマークを比較し、どういった違いがあるか検証していきます。
どちらを選べばよいか、具体的なデータをもとに一緒に考えてみましょう。
この記事を通して、RTX 3060 TiとRTX 4070の違いを理解し、どちらを選ぶべきか考える手助けができれば幸いです。
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ゲーム性能:RTX3060TiとRTX4070どう違う?
ゲーム性能はRTX 3060 TiよりRTX 4070の方が15%~20%高くなっています。(3DMarkの総合結果より)
ざっくり言うとこんな感じ。
- RTX 3060 Ti:コストを抑えて、フルHDで快適に遊びたい!
- RTX 4070:ガチプレイをしたい!WQHDでも快適に遊びたい!
RTX 3060 TiはフルHD、RTX 4070はWQHDをメインターゲットとしたGPUで、それぞれの解像度で高い性能が出せます。
CUDAコア数、ベースクロック、メモリスピードなど、RTX 4070の方が全ての基本性能は高く、処理速度が早いです。
RTX 4070の方が性能が高いことは、次から紹介するベンチマークの結果で証明できます。
ゲーム別ベンチマーク
fps計測をしたPC環境はこちら。
CPU | Core i7-13700F |
メモリ | DDR5 32GB(16GB x2) |
チップセット | Z690 |
電源 | 1000W |
計測したゲームはこちらの5個。
計測には、MSI AFTERBURNERというfps(フレームレート)やCPU温度を記録するソフトを使いました。
パーツ構成やゲームのアップデート、プレイスタイルによってfpsやベンチ結果は変動します。ここでの結果は参考としてご覧ください。
Apex Legends
Apexは専用ベンチマークソフトが無いので、実際にゲームをプレイしてfps計測しました。
Apexは処理の軽いゲームで、グラフィック設定を低くすれば多少古いグラフィックボードでも快適に遊べるゲームです。
fps平均値 | ApexRTX3060Ti | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(低) | 268 | 298 |
フルHD(高) | 165 | 256 |
WQHD(低) | 205 | 279 |
WQHD(高) | 131 | 217 |
4K(低) | 116 | 178 |
4K(高) | 83 | 128 |
グラフィック設定を高くしたり、解像度が高くなると差がどんどん開いてきます。
Apex自体が軽めのFPSゲームなので、4K高設定にしない限り快適にプレイできます。
ガチプレイをするなら高いfpsで安定するRTX 4070。フルHDで144Hzモニターを使うならRTX3060Tiですね。
Apexの設定内容やNVIDIAコントールパネルのグラフィック設定など、くわしい内容はこちらの記事でも紹介していますので参考にしてください。
ファイナルファンタジー14
MMO RPGのFF14。画面上にたくさんのキャラやエフェクトが描画されますが、動作は軽いゲームです。
FF14専用ベンチマークソフトで計測をしています。
スコア15000以上で「非常に快適」判定
FF14ベンチマーク | RTX3060Ti | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(標準) | 非常に快適 | 33785非常に快適 | 34375
フルHD(高画質) | 非常に快適 | 26319非常に快適 | 30289
WQHD(標準) | 非常に快適 | 29197非常に快適 | 32645
WQHD(高画質) | 非常に快適 | 20968非常に快適 | 25252
4K(標準) | 非常に快適 | 20786非常に快適 | 22933
4K(高画質) | とても快適 | 11105とても快適 | 14720
どちらも4K標準画質までは「非常に快適」判定が出ます。
4KになるとRTX 4070のスコアが高くなりますが、どちらもターゲットがWQHD以下と考えると妥当な結果。
FF14をプレイするなら、RTX 3060 Tiで十分という結果でした。
CyberPunk 2077
CyberPunk 2077はPCゲームの中では最強クラスの重さを持っています。CyberPunk 2077に付いているベンチマークで計測をしました。
グラフィック設定を高くしたり、画面解像度が高くなるとRTX 4070の方がfps(フレームレート)が高くなります。
RTX 3060 Tiに比べ、RTX 4070の方が20fps~30fpsほど上回る結果でした。
WQHD以上は差が開いていき、特にグラフィック低設定では40fps前後の差がでるほどです。
フルHDならRTX 3060 Tiで快適にプレイできます。
WQHD以上ならRTX 4070の方がより快適です。
どちらもDLSSに対応してしますが、フレームジェネレーションで高いfpsを出すにはRTX4070が必要です。
Call of Duty MW2
Cod MW2は処理が重たく、フルHDでもRTX 3060Ti以上が理想のFPSゲームです。
Cod MW2のfps計測は、実際にドミネーションをプレイして計測しています。マップやプレイスタイルによってfpsは上下するので、参考値としてご覧ください。
平均fps結果 | CodMW2RTX3060Ti | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(最低) | 169 | 208 |
フルHD(極限) | 113 | 174 |
WQHD(最低) | 148 | 188 |
WQHD(極限) | 93 | 128 |
4K(最低) | 67 | 114 |
4K(極限) | 42 | 79 |
フルHD(最低)ではどちらも平均144fps以上出せました。
フルHDでも極限になるとRTX4070でないと144fpsを超えられません。
WQHDではRTX 3060 Tiでギリギリ平均148fpsですが、激しい撃ち合いやテルミットの火花が出ると、120fps程度まで落ち込むことがあります。
Cod MW2はゲームの処理自体が重たいので、ガチプレイをするならRTX 4070。カジュアルにプレイを楽しみたいならRTX 3060 Tiと考えましょう。
Cod MW2のくわしい内容はこちらの記事で紹介しています。
ファイナルファンタジー15
FF15専用ベンチマークソフトで計測しています。
FF15は発売当時からグラフィックが重たいゲームと言われてきました。最近はグラフィックボードの性能が高くなってきたので、フルHDで遊ぶなら快適に遊べます。
スコアが12000以上で非常に快適の判定
FF15ベンチマーク | RTX3060Ti | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(標準) | 非常に快適 | 16149非常に快適 | 22722
フルHD(高画質) | とても快適 | 11897非常に快適 | 17277
WQHD(標準) | とても快適 | 10977非常に快適 | 16579
WQHD(高画質) | 8702 快適 | 非常に快適 | 13055
4K(標準) | やや快適 | 58558544 快適 |
4K(高画質) | やや快適 | 50087318 快適 |
フルHDではどちらのグラボも快適ですが、WQHD以降は徐々にスコアが落ちてきます。
FF15をプレイするならRTX 3060 TiはフルHDまで、RTX 4070はWQHDまでがターゲットと考える方がよさそうですね。
ゲーム別ベンチマーク結果まとめ
RTX 3060 TiのメインターゲットはフルHD。RTX 4070のメインターゲットはWQHDと考えましょう。
どちらも4Kになるとベンチマークのスコアが伸びなくなります。DLSSを使ったとしても限界があるので、4Kプレイはおすすめできません。
FPSシューター系をプレイする人や高リフレッシュレートのモニターを使っている人は、フルHDであったとしてもRTX 4070を選択すればより高いfpsで遊べます。
3DMarkの結果:RTX3060Ti 対 RTX4070
グラフィック性能を測る定番ソフト、3DMarkの結果をまとめました。
ベンチマーク結果を見れば、RTX 4070の方が性能が高いことがわかるよ。
Speed Way
Speed WayはDirectX 12 Ultimateの性能をテストするベンチマークです。
RTX 4060 TiはRTX 3060 Tiより11.7%性能が高くなりました。
Port Royal
Port Royalはリアルタイムレイトレーシングのパフォーマンステストです。
RTX 4060 TiはRTX 3060 Tiより19.4%性能が高くなりました。
Time Spy
Time SpyはDirectX 12ベンチマークテストです。
Time Spy Extremeはレンダリング解像度を4K(3840×2160)にしてテストします。
RTX 4060 TiはRTX 3060 TiよりTime Spyで15.3%。Time Spy Extremeで13.1%スコアが高くなっています。
Fire Strike
Fire StrikeはDirectX 11ベンチマークです。
RTX 4060 TiはRTX 3060 TiよりFire Strikeで15.4%。Fire Strike Extremeで12.6%、Fire Strike Ultraで9.2%スコアが高くなりました。
Fire Strike Ultraのように解像度が高くなると、性能差が小さくなっていくところは注目です。メモリ帯域幅の影響が出ていると考えられます。
NVIDIA DLSS feature test
NVIDIA DLSS2のテストです。
RTX 3060 TiがフルHDがメインターゲットとなるため、画面解像度をフルHDに設定して計測をしています。
DLSSを使うと、1.5倍~2倍のfpsが出せます。DLSSに対応しているゲームならfpsで有利になりますね。
RTX 4000シリーズで使えるDLSS3のテスト結果はこちら。DLSS3は4K解像度でテストをします。
※RTX 3060 TiはDLSS3が使えません。
3DMarkの結果からわかること
3DMarkの結果から、RTX 3060 TiよりRTX 4070の方が約46%性能が高いことがわかります。
実際にほとんどのゲームでRTX 4070の方が、高いfpsで快適に遊べるよ!
もっと性能が高いグラボが知りたい方は、RTX4000シリーズをまとめた記事をご覧ください。型番別に性能をまとめています。
RTX 3060 TiとRTX 4070の仕様比較
RTX 3060 Ti | RTX 4070 | |
---|---|---|
CUDAコア数 | 4864 | 5888 |
ブーストクロック | 1670 MHz | 2480 MHz |
ベースクロック | 1410 MHz | 1920 MHz |
VRAM | 8GB GDDR6X | 12GB GDDR6X |
メモリスピード | 14 Gbps | 21Gbps |
メモリバス幅 | 256-bit | 192-bit |
メモリ帯域幅 | 448 GB/s | 504 GB/s |
レイトレーシングコア | 第2世代 | 第3世代 |
Tensorコア | 第3世代 | 第4世代 |
アーキテクチャ | Ampere | Ada Lovelace |
インターフェース | PCI-E 4.0 X16 | PCI-E 4.0 X16 |
DLSS | DLSS 2 | DLSS 3 |
ポート | HDMI 2.1 x1 DisplayPort 1.4a x3 | HDMI 2.1a x1 DisplayPort 1.4a x3 |
HDCP | 2.3 | 2.3 |
最大消費電力 | 200W | 200W |
システム電源容量 | 600W | 650W |
補助電源コネクタ | PCIe x 1 | 12VHPWR PCIe x1変換コネクタ または PCIe x1 |
発売日 | 2020年12月2日 | 2023年6月29日 |
ツクモ | RTX3060Ti | RTX4070 |
Amazon | RTX3060Ti | RTX4070 |
RTX 3060 Tiに対し、RTX 4070の仕様にはどういった差があるか?をまとめると以下のようになります。
- ブーストクロック:36%高速。
- ベースクロック:48%高速。
- メモリスピード:50%高速。
- コア:レイトレーシング、Tensor共に世代アップ。
- DLSS:DSLL3にバージョンアップ。
- 消費電力:両方同じ200W。
- L2キャッシュ:4MB→32MBへ増加。
- メモリバス幅:25%低い。
- メモリ帯域幅:12%低い。
ベースクロック、ブーストクロック、メモリスピードと全てにおいてRTX4070の方が性能が高いです。
注目すべきは消費電力。RTX 3060 Tiの200Wに対して、RTX 4070も200Wで、大幅な省電力設計がされています。
DLSSが進化したことから、今後登場するDLSS3対応のゲームに対してもRTX 4070は能力を発揮しそう。
気になる点はメモリバス幅。RTX 4060 Tiは192-bitでRTX 3060 Tiの256-bitより狭くなっています。メモリバス幅の影響で4Kなどの高解像度処理は遅くなると考えられます。
NVIDIAはL2キャッシュを32MBへ増加したことで処理の高速化を実現していると公表していますが、実際は4Kで処理速度が出しにくくなっています。(ベンチマークテストの結果参照)
これらについてはベンチマーク結果でもわかります。
メモリバス幅や帯域幅以外、すべて性能が高いね。
RTX3060TiとRTX4070の価格分析
RTX 4060 Tiが販売されたとき399ドルでRTX 3060 Tiと同じ価格設定でしたが、円安の影響により日本での発売価格が1万円ほど高くなってしまいました。
2連ファンの安値で比較(2023年9月、価格.com調べ)。
- RTX 3060 Ti:53,000円前後
- RTX 4070:90,000円前後
最安値で見ると、RTX 3060 TiとRTX 4060 Tiは約30,000円の差があります。
価格は30,000円の差はありますが、ベンチマークの結果を見ると妥当な差と言えます。
RTX 3060 TiとRTX 4070どっちを選べばいい?
RTX 3060 TiとRTX 4070は以下を参考に選択してください。
- RTX 3060 Ti:フルHDで快適に遊びたい!
- RTX 4070:ガチプレイをしたい!WQHDでも快適に遊びたい!
フルHDで快適に遊びたいならRTX 3060 Ti
とにかく価格を抑えたいならRTX 3060 Tiを選ぶとよいでしょう。
DLSS3は使えませんが、DSLL2は使えます。
フルHDならほとんどのゲームが快適にプレイでき、ゲームによってはWQHDでも問題なくプレイできる性能を持っています。
RTX 3060 Tiは、フルHD限定で少しでも価格を抑えてゲームを楽しみたい人向け。平均144fpsなら十分に出せ、ゲームプレイにストレスはありません。
ガチプレイをしたい!WQHDでも快適に遊びたい!ならRTX 4070
RTX 4070はRTX 3060 Tiよりも、とても性能が高いです。
フルHDならほとんどのゲームが超快適にプレイ可能。多少処理が重たいゲームでも設定次第で165fps以上が狙えます。
WQHDでも144fps以上でプレイできる性能が高いグラボです。
144fps張り付きを狙う人や、165Hzモニター、WQHDモニターを使う方なら、RTX 4070を選択。より高いfpsでガチプレイに最適です。
RTX 4070の上位版「RTX 4070 SUPER」が発売されました。RTX 4070 SUPERのレビューをしていますので、こちらの記事もご覧ください。
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まとめ:RTX3060TiとRTX4070、どっちを選ぶべき?
- RTX 3060 Ti:コストを抑えて、フルHDで快適に遊びたい!
- RTX 4070:ガチプレイをしたい!WQHDでも快適に遊びたい!
RTX 4070の方が平均30,000円ほど価格が高いですが、フルHD~WQHDで圧倒的に高いfpsを出すことができます。フルHDであっても、予算が許すならRTX 4070をおすすめします。
これからDLSS3に対応したゲームが増え、消費電力が低いRTX 4000シリーズの性能が発揮できるシーンが多くなります。楽しいゲームライフを送ってください。
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