グラフィックボード(略して「グラボ」)を選ぶとき、「自分に合うのはどっちかな?」、「グレードの高いパーツはどれぐらい優れているのかな?」といったことを考えませんか?
特にRTX3000シリーズとRTX4000シリーズは、どっちを選んだらいいか迷いますよね。RTX4000シリーズは販売直後から良い評価を聞かないことが多く不安に感じる方もいるでしょう。
そこで、この記事ではRTX 3070 TiとRTX 4070の特徴や性能の違いを明確にし、どちらを選ぶべきかがわかるようにまとめました。
この記事を通して、RTX 3070 TiとRTX 4070 Tiの違いを理解し、どちらを選ぶか考える手助けができれば幸いです。
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ゲーム性能:RTX 3070 TiとRTX 4070どっちが優れている?
RTX 3070 TiよりRTX 4070の方が15%~20%高いゲーム性能を持っています。
2つのグラボは基本的にWQHDがターゲット。
ゲームによってバラつきはありますが、WQHD~4K解像度でRTX 4070の方が10fps~20fpsほど早くなりました。※fps:フレームレート
CUDAコア数、ベースクロック、メモリスピードなど、RTX 4070の方が基本性能が高く、処理速度が全体的に早いと言えます。
FPSシューター系をWQHDでプレイする人や高リフレッシュレートのモニターを使うなら、高いフレームレートを出せるRTX 4070を選択することで良い結果を出すことができます。
ただし、フルHDモニターを使うならRTX4070で十分な性能が出せ、コスパが高くなります。
モニター解像度別でコスパがいいのはこんな感じ。
低・高はゲーム中のグラフィック設定です。
解像度別 コスパ | フルHD | WQHD 低 | WQHD 高 | 4K 低 | 4K 高 |
---|---|---|---|---|---|
RTX 3070 Ti | |||||
RTX 4070 |
RTX 3070 TiとRTX 4070どっちを選ぶべき?
- RTX 3070 Ti:コストを抑えて100fps以上出せればOKな人向け。
- RTX 4070:新規購入なら断然こっち。フルHD~WQHDでガチプレイしたい人向け。
コストを抑えて100fpsプレイならRTX 3070 Ti
RTX 3070 TiはフルHD~WQHDがメインターゲット。ほとんどのゲームがそこそこ快適にプレイできるグラボです。
WQHD以上でグラフィック設定を高くすると、ゲームによっては100fpsを切ることが増えます。
DLSS 2が使え、ゲーム側のアップスケーリングが対応していればfpsが伸ばせますが、少し画質がボヤッとする感じがあるので注意が必要。
RTX 3070 Tiはコストを抑えながら、そこそこfpsが出ていればいいという人向けのグラボです。
RTX 3070 Ti搭載のゲーミングPCは、ほとんどのBTOメーカーで終了しました。基本的にグラボ単体で探し、自分でPCのグラボを差し替える必要があります。
フルHD~WQHDでガチプレイならRTX 4070
新規で購入するなら、RTX 4070を選ぶ方がメリットが大きいです。
ApexやFF14など、グラフィック処理の軽いゲームならWQHDで144fps以上出すことが可能。
DLSS 3にも対応しているため、アップスケーリングはもちろん、フレームジェネレーションによってfpsを大幅に伸ばすことが可能です。※ゲーム側が対応している必要があります。
また、消費電力が200WとRTX 3070 Tiの290Wより省電力で電気代にも優しいのが特徴。
RTX 4070はRTX 3080に近い性能を持っており、RTX 3070 Tiより全ての性能が高い。新しく購入するならRTX 4070を選ぶことをおすすめします。
代表的なゲーミングPC | ||
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RTX 3070 TiとRTX 4070の仕様比較
ここでは2つのグラボ仕様を比較し、どのような違いがあるか説明します。
結論から言うと、RTX 4070の方が性能が高いです。
RTX 3070 Ti | RTX 4070 | |
---|---|---|
CUDAコア数 | 6144 | 5888 |
ブーストクロック | 1770 MHz | 2480 MHz |
ベースクロック | 1580 MHz | 1920 MHz |
VRAM(メモリ) | 8GB GDDR6X | 12GB GDDR6X |
メモリスピード | 19 Gbps | 21Gbps |
メモリバス幅 | 256-bit | 192-bit |
メモリ帯域幅 | 608 GB/s | 504 GB/s |
インターフェース | PCI-E 4.0 X16 | PCI-E 4.0 X16 |
DLSS | DLSS 2 | DLSS 3 |
ポート | HDMI 2.1 x1 DisplayPort 1.4a x3 | HDMI 2.1a x1 DisplayPort 1.4a x3 |
最大消費電力 | 290W | 200W |
システム電源容量 | 750W | 650W |
補助電源コネクタ | PCIe x 2 | 12VHPWR または PCIe x1 |
発売日 | 2021年6月10日 | 2023年6月29日 |
ツクモ | RTX3070Ti | RTX4070 |
Amazon | RTX3070Ti | RTX4070 |
消費電力はRTX 4070の方が低い
RTX 4070はRTX 3070 Tiに比べ消費電力が約3分の2に下がりました。
- RTX 3070 Tiの290W。
- RTX 4070は200W。
システム電源容量の推奨もRTX 3070 Tiの750Wに対し、RTX 4070は650Wで一回り小さい容量。
自作PCユーザーは、少し安い電源で運用できる優しい仕様になっています。
RTX 4070の方がメモリが多い
RTX 3080 Tiが8GBに対し、RTX 4070はVRAM(メモリ)が12GBに増加されたことで、WQHD解像度への強化がされています。
ただ、メモリバス幅が192-bitとRTX 3070 Tiの256-bitより低下していることから、4K解像度で処理速度の低下が懸念されました。
しかし、クロック速度とL2キャッシュの増強で、結局4KでもRTX 4070の方が性能が高い結果になっています。
DLSSの対応
RTX 4000シリーズからDLSS3に対応しており、AIを使ったフレーム生成で画質を保ちつつフレームレートを上げることに成功。
消費電力も大幅に削減され、電気代にもやさしい設計になっています。
また、DLSS 3が使えると、フレームジェネレーションという機能が搭載されたゲームで劇的にfpsを伸ばすことが可能になります。
DLSS 3はRTX 3070 Tiでは使えないため、今後発売されるゲームではRTX 4070の方が有利になることが多くなることは確実です。
RTX 3070 TiとRTX 4070の価格分析
最安値で比較すると、RTX 3070 Tiが6万円。RTX 4070が8.5万円前後です。
RTX 3070 Ti | RTX 4070 | |
---|---|---|
発売日 | 2021年6月10日 | 2023年6月29日 |
価格 ※2023年12月 | 6万円前後 | 8.5万円前後 |
ツクモ | RTX3070Ti | RTX4070 |
Amazon | RTX3070Ti | RTX4070 |
2.5万円もの差がありますが、そもそもRTX 4070はRTX 3080同等の性能で、RTX 3080の最安値が9万円前後のことを考えると妥当な価格と言えます。
RTX 3070 Tiの在庫は少なくなってきており、BTOメーカーでも販売は少なくなってきました。
もし、RTX 3070 TiとRTX 4070の2つで迷うなら、価格は高いですがRTX 4070をおすすめします。
ゲーム別ベンチマーク
この記事で紹介するベンチマークの検証環境はこちら。
CPU | Intel Core i7-13700F |
メモリ | DDR5 32GB(16GB × 2) |
電源 | 1000W |
パーツ構成やゲームのアップデート、プレイスタイルによってfpsやベンチ結果は変動します。ここでの結果は参考としてご覧ください。
Apex Legends
Apexは専用ベンチマークソフトが無いので、実際にゲームをプレイしてfps計測しました。
Apexのfps平均値 | RTX 3070 Ti | RTX 4070 |
---|---|---|
フルHD(低) | 280 | 298 |
フルHD(高) | 208 | 256 |
WQHD(低) | 237 | 279 |
WQHD(高) | 175 | 217 |
4K(低) | 146 | 178 |
4K(高) | 108 | 128 |
FHDの段階からRTX 4070の方がベンチマークは高いです。
144fps、240fps張り付きを目指すならRTX 4070の方が安定します。
Apexの設定内容やNVIDIAコントールパネルのグラフィック設定など、くわしい内容はこちらの記事でも紹介していますので参考にしてください。
ファイナルファンタジー14
MMO RPGのFF14。画面上にたくさんのキャラやエフェクトが描画されますが、動作は軽いゲームです。
FF14専用ベンチマークソフトで計測をしています。
スコア15000以上で「非常に快適」判定
FF15の結果 | RTX 3070 Ti | RTX 4070 |
---|---|---|
フルHD(標準) | 非常に快適 | 34359非常に快適 | 34421
フルHD(高画質) | 非常に快適 | 29175非常に快適 | 30162
WQHD(標準) | 非常に快適 | 32486非常に快適 | 32744
WQHD(高画質) | 非常に快適 | 24241非常に快適 | 25142
4K(標準) | 非常に快適 | 24122非常に快適 | 22829
4K(高画質) | とても快適 | 14920とても快適 | 14689
4K最高画質以外はスコアが15000を超えているため、どの解像度でも快適にプレイできることには違いありません。
どちらも4K最高画質になると、ギリギリで「快適」判定に落ち着きます。それでも十分快適にプレイは可能ですけどね。
CyberPunk 2077
CyberPunk 2077はPCゲームの中では最強クラスの重さを持っています。CyberPunk 2077に付いているベンチマークで計測をしました。
どの解像度でも、レイトレーシングが入るとRTX 4070の方が高いfpsになります。
WQHDになると、10fps前後の差が開くので、ゲームプレイの快適さにも影響が出てくるところ。4Kプレイはどちらも厳しく、高設定までが限界でした。
Cyberpunk 2077はDLSS3に対応しているので、RTX 4070ならフレームジェネレーションが使えます。
レイトレーシング・ウルトラ+FG | ||||
---|---|---|---|---|
OFF | RTX4070RTX4070 ON | |||
フルHD | 98fps | 150fps | ||
WQHD | 79fps | 116fps | ||
4K | 52fps | 71fps |
RTX 4070でグラフィック設定を「レイトレーシング・ウルトラ」、DLSS フレームジェネレーションを使うと1.4倍程度のfpsを上げられ、より快適にプレイできました。
アサシンクリード ミラージュ
アサシンクリードシリーズはビジュアルが綺麗ですが、処理が重たいゲームです。
基本的に60fps出ていれば快適にプレイできます。
平均fps結果 | RTX 3070 Ti | RTX 4070 |
---|---|---|
フルHD(中) | 148 | 181 |
フルHD(最高) | 114 | 141 |
WQHD(中) | 114 | 136 |
WQHD(最高) | 89 | 108 |
4K(中) | 70 | 79 |
4K(最高) | 62 | 65 |
FHD~4Kまで、全てにおいてRTX 4070のfpsが上回ります。
144Hzモニターを使うなら、RTX 4070の方が性能を活かしやすいことがわかります。
Call of Duty MW3
Cod MW3は処理が重たく、フルHDでもRTX 3060Ti以上が理想のFPSゲームです。
fpsはCod MW3のベンチマークで計測しています。マップやプレイスタイルによってfpsは上下するので、参考値としてご覧ください。
平均fps結果 | RTX 3070 Ti | RTX 4070 |
---|---|---|
フルHD(最低) | 164 | 208 |
フルHD(極限) | 132 | 174 |
WQHD(最低) | 158 | 188 |
WQHD(極限) | 115 | 128 |
4K(最低) | 102 | 114 |
4K(極限) | 54 | 79 |
フルHD(最低)ではどちらも平均144fps以上出せます。
WQHD以上になるとRTX 4070の方が高いfpsを出すことができます。RTX 3070 Tiは息切れしてくる感じです。
どちらも4Kプレイでは、画面のカクツキも目立ってくるため適していません。
モニター性能を活かすならWQHDまでがよいでしょう。もしグラフィック設定やモニター解像度を上げたいなら、DLSSをオンにすることも視野に入れる必要があります。
ファイナルファンタジー15
FF15専用ベンチマークソフトで計測しています。
FF15は発売当時からグラフィックが重たいゲームと言われてきました。最近はグラフィックボードの性能が高くなってきたので、フルHDで遊ぶなら快適に遊べます。
スコアが12000以上で非常に快適の判定
FF15の結果 | RTX 3070 Ti | RTX 4070 |
---|---|---|
フルHD(標準) | 非常に快適 | 20568非常に快適 | 22722
フルHD(高画質) | 非常に快適 | 15238非常に快適 | 17277
WQHD(標準) | 非常に快適 | 14728非常に快適 | 16579
WQHD(高画質) | とても快適 | 11320非常に快適 | 13055
4K(標準) | 7943 快適 | 8544 快適 |
4K(高画質) | 6766 快適 | 7318 快適 |
4Kでもプレイは可能ですが、魔法や召喚獣を出したとき、少しカクツキを感じます。
FF15をプレイするならWQHD高画質までがメインターゲットです。
3DMarkの結果:RTX 3070 Ti 対 RTX 4070
3DMarkのベンチマークでは、ゲームに影響があるDirectX 11、DirectX 12、リアルタイムレイトレーシングの比較をします。
Speed Way
Speed WayはDirectX 12 Ultimateの性能をテストするベンチマークです。
RTX 4070はRTX 3070 Tiより約18%性能が高い結果でした。
Port Royal
Port Royalはリアルタイムレイトレーシングのパフォーマンステストです。
Speed Wayと同じくRTX 4070の方がスコアは高く、その差は約25%性能が高くなります。
Time Spy
Time SpyはDirectX 12ベンチマークテストです。
Time Spy Extremeはレンダリング解像度を4K(3840×2160)でテストでされます。
Time Spyも同じくRTX 4070の性能が高い結果。その差は約25%と結構な差が開きます。
Fire Strike
Fire StrikeはDirectX 11ベンチマークです。
Fire Strikeも傾向は同じでRTX 4070の方が性能は上。差は約20%になりました。
3DMarkの結果からわかること
グラフィック性能はRTX 3070 TiよりRTX 4070の方が約20%高いことがわかります。
全てのゲームで20%の差があるとは限りませんが、ほとんどのゲームでRTX 4070の方が高いベンチマーク結果になっていることから、性能はRTX 4070の方が高いことが証明されます。
ゲーミングPCとグラボ検索
RTX 3070 Ti搭載のゲーミングPCは、ほとんどのBTOメーカーで終了しました。基本的にグラボ単体で探し、自分でPCのグラボを差し替える必要があります。
ゲーミングPCを探す場合は、RTX 4070搭載のPCを検討してください。
RTX 3070 Tiのグラボが購入できるショップ
RTX 4070 搭載ゲーミングPCとグラボ検索
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もう少しパワーがほしいならRTX 4070 SUPER
RTX4070では少し性能不足。もう少しパワーがほしいだよな・・・
という方は、RTX4070SUPERが合うかもしれません。
RTX 4070とRTX 4070 Tiのちょうど中間の性能になっています。
RTX 4070 SUPERの性能をレビューしているので、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ:RTX 3070 TiとRTX 4070はどっちを選ぶ?
- RTX 3070 Ti:コストを抑えて100fps以上出せればOKな人向け。
- RTX 4070:新規購入なら断然こっち。フルHD~WQHDでガチプレイしたい人向け。
RTX 3070 TiよりRTX 4070の方が15%~20%高いゲーム性能を持っています。
消費電力やDLSS 3の対応、VRAMの多さ、ベンチマーク結果から、全体的にRTX 4070の方が性能は高いことが証明されました。
グラフィック設定を高くしたり、モニター解像度を上げた場合もRTX 4070の方がゲームを快適にプレイできます。
RTX 3070 TiよりRTX 4070の方が価格は高いですが、総合的に考えても新規購入ならRTX 4070の方が長く使えるグラボと言えます。
RTX 4070の性能は、こちらの記事で紹介しています。詳しく知りたい方は参考にしてください。
RTX4000シリーズをこちらの記事でまとめているので参考にしてください。
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