グラフィックボード(略して「グラボ」)を選ぶとき、グレードの高いほうを選ぶか?でも、そこまで性能の高いグラボは必要なのかな?と迷っていませんか?
今回、NVIDIAのミドルクラスGPU、RTX 4070 TiとRTX 3080に焦点を当てて、それぞれの特性や性能を比較していきます。
具体的なデータを見ながら、どちらのモデルを選ぶべきか選びましょう。
この記事を通して、RTX 4070 TiとRTX 3080の性能を理解し、どちらを選べば納得できるかの手助けができれば幸いです。
- WQHDから4Kまで、快適なゲームライフを送りたいならRTX 4070 Ti。
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RTX 4070 TiとRTX 3080の仕様を比較
RTX 4070 Ti | RTX 3080 | |
---|---|---|
CUDAコア数 | 7680 | 8704 |
ブーストクロック | 2610 MHz | 1710 MHz |
ベースクロック | 2310 MHz | 1260 MHz |
メモリタイプ | 12GB GDDR6X | 10GB GDDR6X |
メモリスピード | 21Gbps | 19 Gbps |
メモリバス幅 | 192-bit | 320-bit |
メモリ帯域幅 | 504 GB/s | 760 GB/s |
レイトレーシングコア | 第3世代 | 第2世代 |
Tensorコア | 第4世代 | 第3世代 |
アーキテクチャ | Ada Lovelace | Ampere |
インターフェース | PCI-E 4.0 X16 | PCI-E 4.0 X16 |
DLSS | DLSS 3 | DLSS 2 |
ポート | HDMI 2.1a x1 DisplayPort 1.4a x3 | HDMI 2.1 x1 DisplayPort 1.4a x3 |
HDCP | 2.3 | 2.3 |
最大消費電力 | 285W | 320W |
システム電源容量 | 700W | 750W |
補助電源コネクタ | 12VHPWR PCIe x1変換コネクタ または PCIe x2 | PCIe x 2 |
発売日 | 2023年5月24日 | 2020年9月17日 |
ツクモ | RTX4070Ti | 販売終了 |
Amazon | RTX4070Ti | RTX3080 |
2つを比べるとわかる通り、メモリバス幅、メモリ帯域幅以外は全てRTX 4070 Tiの方が優れた仕様です。
メモリ帯域幅は狭いので、高い解像度では性能が出しにくくなりますが、それでもRTX3080より高いベンチマーク結果でした。
RTX 4070 TiはDLSS3に対応しており、AIを使ったフレーム生成で画質を保ちつつフレームレートを上げることに成功。また、消費電力が大幅に削減されている点も優れています。
NVIDIAはL2キャッシュを増強することで処理の高速化を実現していると公表していますが、実際は4K高負荷にすると処理速度が出しにくくなっています。(ベンチマークテストの結果参照)
ゲーム別ベンチマーク
計測には、MSI AFTERBURNERというfps(フレームレート)やCPU温度を記録するソフトを使いました。
fps計測をしたPC環境はこちら。
CPU | Core i7-13700F |
メモリ | DDR5 32GB(16GB x2) |
チップセット | Z690 |
電源 | 1000W |
パーツ構成やゲームのアップデート、プレイスタイルによってfpsやベンチ結果は変動します。ここでの結果は参考としてご覧ください。
Apex Legends
Apexは専用ベンチマークソフトが無いので、実際にゲームをプレイしてfps計測しました。
Apexは処理の軽いゲームで、グラフィック設定を低くすれば多少古いグラフィックボードでも快適に遊べます。
Apexのfps平均値 | RTX 4070 Ti | RTX3080 |
---|---|---|
フルHD(低) | 298 | 298 |
フルHD(高) | 275 | 211 |
WQHD(低) | 288 | 263 |
WQHD(高) | 263 | 213 |
4K(低) | 185 | 158 |
4K(高) | 159 | 127 |
4K高設定で144fpsを出すならRTX 4070 Ti。WQHD以下ならRTX3080で十分なfpsが出せていました。
Apexの設定内容やNVIDIAコントールパネルのグラフィック設定など、くわしい内容はこちらの記事でも紹介していますので参考にしてください。
Call of Duty MW2
Cod MW2は処理が重たく、フルHDでもRTX3060Ti以上が理想のFPSゲームです。
Cod MW2のfps計測は、実際にドミネーションをプレイして計測しています。マップやプレイスタイルによってfpsは上下するので、参考値としてご覧ください。
CodMW2 平均fps結果 | RTX 4070 Ti | RTX3080 |
---|---|---|
フルHD(最低) | 213 | 213 |
フルHD(極限) | 178 | 152 |
WQHD(最低) | 202 | 175 |
WQHD(極限) | 156 | 134 |
4K(最低) | 133 | 118 |
4K(極限) | 92 | 86 |
フルHDでは、RTX 4070 Ti、RTX 3080ともに平均144fps以上出ています。
WQHD~4Kになると差が開き、RTX 4070 Tiが20fpsほど上回ります。
どちらのGPUもWQHDまでが現実的かなという印象でした。
Cod MW2のくわしい内容はこちらの記事で紹介しています。
ファイナルファンタジー14
MMO RPGのFF14。画面上にたくさんのキャラやエフェクトが描画されますが、動作は軽いゲームです。
FF14専用ベンチマークソフトで計測をしています。
スコア15000以上で「非常に快適」判定
FF14ベンチマーク | RTX 4070 Ti | RTX3080 |
---|---|---|
FHD (標準) | 非常に快適 | 34757非常に快適 | 35871
FHD (高画質) | 非常に快適 | 31612非常に快適 | 29924
WQHD (標準) | 非常に快適 | 34140非常に快適 | 33150
WQHD (高画質) | 非常に快適 | 27656非常に快適 | 25294
4K (標準) | 非常に快適 | 25306非常に快適 | 24597
4K (高画質) | 非常に快適 | 17992非常に快適 | 16184
FF14はRTX3080、RTX 4070 Tiどちらでも、4K最高画質まで快適にプレイ可能です。
予算や他にプレイするゲームに応じて、グラボの選定を行えば良いでしょう。
ファイナルファンタジー15
FF15専用ベンチマークソフトで計測しています。
FF15は発売当時からグラフィックが重たいゲームと言われてきました。最近は快適に遊べるグラフィックボードが増えてきました。
スコアが12000以上で非常に快適の判定
FF15ベンチマーク | RTX 4070 Ti | RTX3080 |
---|---|---|
フルHD(標準) | 非常に快適 | 23147非常に快適 | 21832
フルHD(高画質) | 非常に快適 | 19411非常に快適 | 16902
WQHD(標準) | 非常に快適 | 19976非常に快適 | 16678
WQHD(高画質) | 非常に快適 | 15742非常に快適 | 13021
4K(標準) | とても快適 | 10402とても快適 | 9154
4K(高画質) | 8763 快適 | 7585 快適 |
FF15はRTX3080、RTX 4070 Tiどちらでも、WQHD最高画質まで非常に快適。4Kでも60fps前後出ているので、快適にプレイできました。
CyberPunk 2077
CyberPunk 2077はPCゲームの中では最強クラスの重さを持っています。CyberPunk 2077に付いているベンチマークで計測をしました。
RTX 4070 Tiなら、4Kのレイトレーシング+ウルトラでも平均60fpsを出すことができますが、激しい銃撃など負荷が高くなると40fps程度まで落ち込みます。
RTX3080で4Kプレイするなら、レイトレーシング+低がよさそうです。
RTX 4070 TiはDLSS3のフレームジェネレーションが使え、さらにfpsを伸ばすことができます。
ジェネレーション | フレームOFF | ON |
---|---|---|
4K 3840 x 2160 | 平均:65 最低:54 | 平均:91 最低:80 |
ゲーム性能:RTX 4070 TiとRTX3080どっちが優れている?
ゲーム性能は、RTX3080よりRTX 4070 Tiの方が10%~17%高い性能を持っています。
ゲームによってバラつきはありますが、平均値でみるとこのような差になります。
- FHD:RTX 4070 Tiの方が11%性能が高い
- WQHD:RTX 4070 Tiの方が14%性能が高い
- 4K:RTX 4070 Tiの方が17%性能が高い
このように、全ての解像度においてRTX 4070 Tiの方が高いベンチマーク結果となっています。
CUDAコア数、ベースクロック、メモリスピードなど、RTX 4070 Tiの方が基本性能が高く、処理速度が全体的に早いと言えます。
FPSシューター系をプレイする人や高リフレッシュレートのモニターを使う人は、RTX 4070 Tiを選択する方がストレスの無いゲームプレイが可能になります。
3DMarkの結果:RTX 4070 Ti 対 RTX 3080
3DMarkのベンチマーク結果を紹介します。
この記事で紹介するベンチマークの検証環境はこちら。
CPU | Intel Core i7-13700F |
メモリ | DDR5 32GB(16GB × 2) |
電源 | 1000W |
ベンチマーク結果を見と、全てRTX 4070 Tiの結果が上回っています。
RTX 4070 Tiの性能の高さがわかります。
Speed Way
Speed WayはDirectX 12 Ultimateの性能をテストするベンチマークです。
RTX 4070 TiはRTX 3080より約18%スコアが高い結果でした。
消費電力がRTX 3080より低いですが、ベンチマークが高くなっています。クロックやアーキテクチャの進化が見られる結果ですね。
Port Royal
Port Royalはリアルタイムレイトレーシングのパフォーマンステストです。
ここでもRTX 4070 Tiの方が約23%スコアが高い結果です。
Time Spy
Time SpyはDirectX 12ベンチマークテストです。
Time Spy Extremeはレンダリング解像度を4K(3840×2160)でテストします。
Time Spyも同じくRTX 4070 TiはRTX 3080を約22%上回る結果になりました。
Fire Strike
Fire StrikeはDirectX 11ベンチマークです。
Fire Strikeも全体的な傾向は同じです。
RTX 4070 Tiが約23%上回っています。
4KになるとRTX 4070 Tiのスコアが少し伸びにくくなってくることもわかりますね。
NVIDIA DLSS feature test
NVIDIA DLSS2のテストです。
面解像度をフルHDに設定して計測をしています。
RTX 4070 Tiで使えるDLSS3のテスト結果はこちら。
DLSS3は4K解像度でテストをします。参考としてRTX4080の結果も載せました。
※RTX3080はDLSS3が使えません。
DLSSを使う注意点として、シャープネスが効きにくくなり、画質がボケることがあります。
なんでもかんでもDLSSをオンにするのではなく、画質を下げてフレームレートを稼ぐ方が見やすくなるゲームもありますので注意しましょう。
3DMarkの結果からわかること
3DMarkの結果から、RTX3080よりRTX 4070 Tiの方が約23%性能が高い結果となりました。
ゲームプレイでの性能差はフルHDで11%、WQHDで14%、4Kで17%、RTX 4070 Tiが高い結果を出しています。
RTX3080は安いグラボで9万円前後。一方、RTX 4070 Tiは11万円前後します。
2万円の価格差がありますが、以下の差を考えるとRTX 4070 Tiの方がおすすめと言えます。
- 性能差
- 消費電力
- DLSS3への対応
電源要件と物理的なサイズ
この記事で紹介したRTX 4070 TiとRTX 3080は以下の2機種。それぞれの電源の要件と本体サイズをまとめました。
製品 | 消費電力 | システム電源容量 | 本体サイズ |
---|---|---|---|
Palit GeForce RTX 4070 Ti GamingPro 12GB | 285W | 750W | 約328.9 x 132.9 x 63.4 mm |
Palit GeForce RTX 3080 GamingPro | 320W | 750W | 約294 x 112 x 60 mm |
RTX 4070 Ti、RTX 3080ともに本体サイズが大きいため、PCケースのフロントに付けられたファンや簡易水冷クーラーのラジエーターなどに当たってPCケースに入らないことがあります。ファンの位置やケースのサイズは、しっかり確認しておきましょう。
RTX 4070 TiとRTX 3080搭載のゲーミングPCとグラボ検索
RTX 4070 TiとRTX 3080搭載のゲーミングPCを紹介します。
グラボをお探しの方は、ゲーミングPCリストの下にある検索用リンクをご利用ください。
RTX 4070 Ti 搭載ゲーミングPC
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RTX 4070 TiとRTX 3080どっちを選ぶ?
- 新規で購入するならRTX 4070 Ti。
- コスト重視で、少し性能が落ちてもいいならRTX3080。
RTX 3080より、RTX 4070 Tiの方が10%~15%高い性能を持っています。
新規でPCやグラボを購入するなら、RTX 4070 Tiがおすすめです。
新規で購入するならRTX 4070 Ti
WQHD~4Kがターゲットで、ほとんどのゲームが快適にプレイ可能です。
また、RTX 4070 TiはRTX3090Tiを上回る性能を持っているとNVIDIAは発表しました。
消費電力が285WとRTX3080の320Wより省電力。DLSS3が使え、高いfpsを出すことを実現しています。
価格は11万~13万円前後。
今後、DLSS3に対応したゲームが増えてくると、ますますRTX 4070 Tiの能力が発揮できますね。
RTX 4070 Tiのくわしい仕様や性能は、こちらの記事で紹介してます。参考にしてください。
コスト重視で、少し性能が落ちてもいいならRTX3080
RTX 3080のメインターゲットはWQHD~4K。
4Kでも快適にプレイはできますが、グラフィック設定を高くすると144fps以上張り付きを狙うのは辛くなってきます。
4Kでグラフィックを低設定にする、もしくは60fpsあればOKなゲームならRTX3080で快適にプレイできます。
市場の在庫が少なくなってきており、BTOメーカーのPC販売はほとんど終了しています。
価格は9万円~12万円前後。
価格を考えても、よほどの理由が無い限りRTX 4070 Tiの選択をおすすめします。
RTX3000シリーズの販売状況
RTX 3000シリーズの販売が徐々に終了してきています。
次に主力になるRTX 4000シリーズは消費電力が低く、DLSS3に対応したゲームが増えてくるので、性能が発揮できるシーンが多くなります。
これから新しくグラボやゲーミングPCの購入をされる方は、RTX 4000シリーズを視野に入れて検討してみてください。
RTX4000シリーズをこちらの記事でまとめているので参考にしてください。
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