オーディオテクニカのATH-GDL3は開放型のゲーミングヘッドセットです。
ATH-GDL3は音抜けが良く、自然な空気感で音を聴くことができます。
本体重量が220gと圧倒的に軽量で側圧も緩め。
長時間の使用でも頭や首への負担が少ないヘッドセットです。
音質や装着感はとても良いですが、3つの問題点があることに気付きました。
この記事では、ATH-GDL3を実際に使ってみた感想と3つの問題点について解説していきます。
- ATH-GDL3の仕様と特徴
- ATH-GDL3を使った感想(音質や装着感)
- ATH-GDL3の3つの問題点
ATH-GDL3の仕様
ATH-GDL3は開放型ヘッドセットです。
ヘッドセットのハウジングがメッシュ状になっていて、外からドライバーが見える形状をしています。
ファイナルファンタジーXIV推奨機種に認定されており、付け心地や音質が認められたヘッドセットです。
ATH-GDL3の仕様 | |
ヘッドホン部 | 型式:オープンバックダイナミック型 |
ドライバー:φ45mm | |
出力音圧レベル:98dB/mW | |
再生周波数帯域:10~35,000Hz | |
インピーダンス:45Ω | |
マイクロホン部 | 型式:エレクトレットコンデンサー型 |
指向特性:ハイパーカーディオイド | |
感度:−43dB(0dB=1V/Pa, 1kHz) | |
周波数帯域:30~20,000Hz | |
重さ | 約220g (コード除く) 約227g (着脱式マイクロホン含む) |
その他 | 使用温度範囲:5~40℃ |
付属品 | 着脱式マイクロホン(ウインドスクリーン付き) |
1.2m着脱式コード(φ3.5mm金メッキステレオ4極ミニプラグ) | |
3.0m着脱式PC用コード(φ3.5mm金メッキステレオ3極ミニプラグ×2) | |
別売り品 | イヤーパッド HP-GDL3 |
ヘッドパッド | |
着脱式マイクロホン | |
ウインドスクリーン | |
着脱式コード | |
着脱式PC用コード |
ATH-GDL3の特徴
ATH-GDL3の主な特徴はこちら。
- 本体が220gでとても軽い。
- 軽量なのでで首や肩への負担が少なく、長時間使っても疲れにくい。
- 側圧が緩めなので、メガネを付けていても頭が痛くなりにくい。
- ヘッドホンの長さ調整が片方で43mmあるので、頭の大きい方でも使える。
- 開放型で音抜けがよく、スッキリした音質。
- 定位がよく、敵の足音や銃声の音の方向がわかりやすい。
- ヘッドセット側のプラグに4.4mm5極を採用するほどの音質へのこだわりがある。
音へのこだわりと長時間の使用でも首や肩が疲れないことが、ATH-GDL3のこだわりポイントだとわかります。
プラグに4.4mm5極が採用されています
ATH-GDL3側の接続は「4.4mm TRRRS 5極プラグ」が採用されています。
一般的な3.5mm4極プラグの場合はアース線(グランド)が1つだけなので、スピーカーとマイクで共有のアースを使うことになります。
ATH-GDL3は4.4mm 5極プラグを採用することで、スピーカーとマイクのアースを分離することが可能です。
アースを分離することでスピーカーの音がマイクへの回り込むことを防ぐことができ、音質がスッキリする出力を得られるようになります。
ケーブル1つ取っても、とことん音質重視の設計がされていることがわかる構造です。
4.4mm5極ー3.5mm4極ケーブルはオーディオ製品を扱うお店なら販売していますが、一般の電気屋さんに行っても売っていないことがほとんどです。断線したときなど、すぐに手に入らないのが少し気になります。
ATH-GDL3の外観
ATH-GDL3はアルミやスチールが使われている部分が少なく、それぞれのパーツが細く設計されています。
全体的にプラスチック成型品で構成することで、軽量化が実現できてると考えられます。
イヤーカップまわり
ATH-GDL3は開放型(オープンエアーとも呼ばれます)で、イヤーカップから中のドライバーが見えるデザインです。
全体的にシンプルで、余計な物は付けないこだわりが見てわかります。
ヘッドバンド部分とヘッドホンの長さ調整部分に、薄くて細目のステンレス製プレートが使われています。
側圧の軽減や本体の軽量化のために、薄めで最小限の幅のプレートを使っていることがわかります。
イヤーカップの長さ調整部分は、ステンレスプレートにメモリが刻んであります。カチカチと軽い引っ掛かりがあり、イヤーカップ左右の長さが統一しやすいです。
ドライバー(スピーカー部分)につながっている黒いケーブルが断線しないか心配になりますが、よほど強い力で引っ張らない限り問題はないでしょう。
ヘッドバンド
ヘッドバンド部分はラバー素材が使われています。ラバー素材の長さ調整はできません。
ラバー製のヘッドバンドは外して洗うことができます。
頭にヘッドバンドが当たって気になる方は、 ATH-GDL3から外して使うことも可能です。
ヘッドバンドの端には「R」と「L」が書かれているので、ヘッドセットから外した後でも方向を間違えることはありません。ちょっとしたことですが、細かいところまで気が使われていることがわかります。
スイッチ部分
4.4mm5極ジャック、ボリュームダイヤル、マイクミュートスイッチは全て左側のイヤーカップにまとまっています。
マイクの差込口も左側のイヤーカップにあります。
マイクとケーブルは差し込むだけで簡単に取り付けできます。
マイクは外しておくことができるので、不要なときは外してしまって良いですね。
マイクは自由に向きを変えられるので、口元に近づけたり遠ざけたりすることが可能です。
ATH-GDL3の音質
一言でいうと「スッキリした音質」
開放型は低音が外に逃げやすいので、中高音が聞きやすくなります。
音のこもりが少なくスッキリしているので、長時間の使用でも疲れにくい音質です。
FPSゲームで使ったときの音質と定位、ゲーミングアンプを使ったときの感想を紹介していきます。
FPSゲームにとても合っています
開放型ということもあって、ゲーム内の細かい音や遠くの音が聞こえにくくなるかな?と想像していました。
PS5のコントローラーにATH-GDL3を接続してCall of Duty Vanguardで遊んでいますが、しっかりと音が聞こえて驚きました。
開放型は音が外に流れるため音はスッキリしますが、低音側の音が聞き取りにくくなる傾向があります。
乗り物の音や爆発音は抑え気味に聞こえますが、ハッキリ聞こえる必要のない音なのでゲームプレイには支障がありませんでした。
ATH-GDL3は中高音がハッキリ出ていて、足音を聞き逃すことはありません。
定位はとてもよく、全体的に方向を把握できることにも驚きました。
FPSゲームで求める音質、定位は理想のレベルで出ていると感じます。
ゲーミングアンプの使用にも合っています
MixAmp、GameDAC、Sound Blaster G3に接続してゲームプレイをしました。
どのゲーミングアンプでも、イコライザーやサラウンドはしっかりと反映されます。
今までゲーミングアンプを使っていた方は、一度そのままの設定で試すことをおすすめします。
ATH-GDL3のスッキリした音と、ゲーミングアンプのイコライザー調整がとてもマッチすることが体感できます。
周囲に人がいる環境には向きません
開放型ヘッドホンはドライバー(スピーカー)の音がダイレクトに外に漏れていきます。
音漏れが周囲に人に聞こえてしまうので、図書館や公共交通機関、職場など、人が多い場所での使用は不向きです。
開放型ヘッドホンは周囲の音が聞こえるので、音に集中したい場合は静かな環境で使うことをおすすめします。
ここでの話はATH-GDL3に限った内容ではなく、開放型ヘッドホン特有の問題です。
ATH-GDL3の装着感
ATH-GDL3はとても軽く、側圧も緩め。イヤーパッドは布のような素材でできていて、肌触りに違和感はありません。
ヘッドセットの圧力で耳や頭が痛くならず、長時間の使用でも疲れにくい装着感です。
私自身、メガネをかけています。
映画やゲームでATH-GDL3を長時間使用していますが、頭が痛くなることはありませんでした。
ヘッドセットの長さ調整は片方で約43mm伸ばすことができるので、頭の大きい方でも十分調整可能なサイズです。
他社製品と比べても圧倒的な軽さ!
同じ開放型ゲーミングヘッドセットにEPOS H6Pro Openがありますが、重さが90gも違います!
- EPOS H6Pro Open:約310g
- オーディオテクニカ ATH-GDL3:220g
手に持った感覚だけでなく、頭に装着したときの重さは圧倒的にATH-GDL3が軽いと感じます。
ATH-GDL3は頭だけでなく、首、肩への負担も大幅に軽減できる、とても軽いゲーミングヘッドセットです。
ATH-GDL3の問題点
ATH-GDL3を使っていて3つの問題を感じました。
ここで紹介する3つの問題によってATH-GDL3の使用に支障が出るということはありませんが、気になる点ではあるので説明していきます。
- ボリュームやミュートスイッチが操作しにくい。
- ケーブルの根元が体に当たりやすい。
- ヘッドセット本体から、きしみ音が出る。
①ボリュームやミュートスイッチが操作しにくい
ボリュームダイヤルがイヤーカップの形状に合わせたデザインで、飛び出し量が少なく操作がしにくいです。
ダイヤルが小さいため、素早くボリュームや微調整することが難しい形状です。
FPSやアクションゲーム中に、サッとボリューム調整するのは難しいです。
マイクミュートのスイッチも、イヤーカップの形状に合わせたデザインになっています。
スイッチに突起はありますが、指への引っ掛かりは少ないです。
急いでミュートにするシーンは少ないかもしれませんが、操作はしにくいスイッチです。
②ケーブルの根元が肩に当たりやすい
画像の左側はロジクールG PROX ゲーミングヘッドセットです。
ATH-GDL3は4.4mm5極ケーブルが採用されています。
一般的な4極ケーブルより太くて硬く、プラグの根元も40mmと長めです。
根元が40mmあり、イヤーカップのセンターからケーブルが伸びるためケーブルが肩に当たりやすいです。
ゲーム中や映画鑑賞中に頭を左右に振る事は少ないと思いますが、頭を動かしたしたときにケーブルが肩に当たるのは気になります。
③ATH-GDL3のヘッドセット本体からきしみ音が出る
ATH-GDL3を動かすと、パーツからきしみ音が出ます。
プラスチック成型品どうしのきしみ音は避けられない現象ですが、ここまで全体的に音が鳴る製品ははじめてでした。
ATH-GDL3は全体的にパーツが小さく剛性が低めなので、他製品よりもきしみ音は大きくでています。
通常使う時は問題ありませんが、頭を動かした時や会話をしたときに少しきしみ音が鳴るので若干気になります。
ASTRO A40でもしみ音がでることがありますが、イヤーカップを支える一部のパーツからだけ音がでる状態でした。
ATH-GDL3の使用感まとめ
- とにかく軽い!(約220g)
- 長時間使っても疲れない!
- 側圧が緩めで、メガネをかけている人でも負担が少ない!
- 長さ調整幅が広いので、頭の大きな人でも使えます。
- 開放型で中高音が聞きやすく、音がスッキリしている。
- 定位がよく、FPSゲームの敵の足音や銃声の方向の聞き分けがとてもしやすい。
- 必要最小限の機能に絞り、音質と軽さを追求したヘッドセット。
- ボリュームとミュートが操作しにくい。
- ケーブルが肩に当たりやすい。
- 若干きしみ音が気になる。
ATH-GDL3は、オーディオテクニカ自ら「定位が良く、FPSゲームで力を発揮します」と言うだけあってとても聞きやすい音質です。
FPSゲームをされている人にとって、強力なヘッドセットになることは間違いありません。
開放型なので周囲に人がいる環境や、雑音のある環境での使用はおすすめできませんので注意してください。
軽さや装着感が追及されているので、特にメガネをかけている人やヘッドセットで頭が痛くなる人におすすめしたい製品です。
同じ開放型ゲーミングヘッドセットで、EPOS H6Pro Openのレビューもしていますのでご参考にどうぞ。
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