グラフィックボード(以降グラボ)を選ぶとき「パーツは新しい方がいいのかな?」、「自分に合うのはどっちかな?」といったことを考えるのではないでしょうか。
今回、NVIDIAのミドルクラスGPU、RTX 3070とRTX 4070に焦点を当てて、それぞれの特性や性能を比較していきます。
どちらのモデルを選ぶべきか、具体的なデータをもとに一緒に考えてみましょう。
この記事を通してRTX 3070とRTX 4070の違いを理解し、どちらを選ぶか考える手助けができれば幸いです。
- コストを抑えつつ、そこそこ快適なRTX3070!
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ゲーム性能:RTX3070とRTX4070どっちが優れている?
RTX 3070よりRTX 4070の方が30%~40%高いグラフィック性能を持っています。
ゲームによってバラつきはありますが、フルHD~WQHD解像度でRTX 4070の方が20fps~30fpsほど早くなりました。
CUDAコア数、ベースクロック、メモリスピードなど、RTX 4070の方が基本性能が高く、処理速度が全体的に早いと言えます。
RTX 4070は、RTX 3080に近い性能を持っており、RTX 3070よりベンチマークが高くなります。
RTX 3070とRTX 4070はどっちを選べばいい?
- コストを抑えつつ、そこそこ快適に遊ぶならRTX3070。
- 消費電力を抑えつつ、本気でゲームをしたいならRTX 4070
コストを抑えつつ、そこそこ快適にゲームをしたいならRTX3070
RTX 3070のメインターゲットはWQHDです。
WQHDならほとんどのゲームが快適にプレイ可能。多少処理が重たいゲームでも設定次第で100fps以上が狙えます。
グラボ単体で見ると、RTX 4070より1万円前後安く買うことができます。グラフィック設定を下げてもいい、ある程度快適ならOK!という人はRTX3070を選ぶ方がコスパが高くなります。
消費電力を抑えつつ、本気でゲームをしたいならRTX 4070
RTX 4070のメインターゲットはWQHD。
消費電力がRTX 3070の220Wに対し、RTX4070は200Wと省電力。
ApexやFF14など、グラフィック処理の軽いゲームならWQHDで144fps以上余裕で出すことが可能です。
4Kでもグラフィック設定を調整すれば、快適にプレイできます。
WQHDで144fps以上出して、本気でゲームをしたいならRTX 4070です。
ゲーム別ベンチマーク
専用ベンチソフトが無いゲームの計測には、MSI AFTERBURNERというfps(フレームレート)やCPU温度を記録するソフトを使いました。
fps計測をしたPC環境はこちら。
CPU | Core i7-13700F |
メモリ | DDR5 32GB(16GB x2) |
チップセット | Z690 |
電源 | 1000W |
パーツ構成やゲームのアップデート、プレイスタイルによってfpsやベンチ結果は変動します。ここでの結果は参考としてご覧ください。
Apex Legends
Apexは専用ベンチマークソフトが無いので、実際にゲームをプレイしてfps計測しました。
Apexは処理の軽いゲームで、グラフィック設定を低くすれば多少古いグラフィックボードでも快適に遊べます。
Apexのfps平均値 | RTX3070 | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(低) | 276 | 298 |
フルHD(高) | 180 | 256 |
WQHD(低) | 226 | 279 |
WQHD(高) | 157 | 217 |
4K(低) | 132 | 178 |
4K(高) | 98 | 128 |
WQHDまでならRTX 3070で平均144fpsが出せています。
144fps張り付きなど、より高いfpsでプレイするならRTX 4070の方が有利になりました。
- フルHD~WQHDでプレイするなら、RTX 3070でOK。
- 4Kでプレイするなら、RTX 4070推奨。
Apexの設定内容やNVIDIAコントールパネルのグラフィック設定など、くわしい内容はこちらの記事でも紹介していますので参考にしてください。
ファイナルファンタジー14
MMO RPGのFF14。画面上にたくさんのキャラやエフェクトが描画されますが、動作は軽いゲームです。
FF14専用ベンチマークソフトで計測をしています。
スコア15000以上で「非常に快適」判定
FF14ベンチマーク | RTX3070 | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(標準) | 非常に快適 | 34147非常に快適 | 34375
フルHD(高画質) | 非常に快適 | 27735非常に快適 | 30289
WQHD(標準) | 非常に快適 | 30689非常に快適 | 32645
WQHD(高画質) | 非常に快適 | 22829非常に快適 | 25252
4K(標準) | 非常に快適 | 22173非常に快適 | 22933
4K(高画質) | とても快適 | 12925とても快適 | 14720
RTX 3070とRTX 4070はどちらも4K標準まで非常に快適判定になります。4K高画質でも画質調整をすれば、快適にプレイが可能です。
CyberPunk 2077
CyberPunk 2077はPCゲームの中では最強クラスの重さを持っています。CyberPunk 2077に付いているベンチマークで計測をしました。
グラフィック設定や解像度が上がるほどRTX 4070の方が高いスコアを出します。
Cyberpunk 2077はDLSS3に対応しています。RTX 4070でグラフィック設定を「レイトレーシング・ウルトラ」、DLSS フレームジェネレーションを使うと以下のようにフレームレートが上がります。
レイトレーシング・ウルトラ+DLSS | ||||
---|---|---|---|---|
OFF | RTX4070RTX4070 ON | |||
フルHD | 98fps | 150fps | ||
WQHD | 79fps | 116fps | ||
4K | 52fps | 71fps |
ただし、4Kなど解像度が高いときはゲーム中の操作にモタツキが出たり、メニュー画面が重たかったりします。画面解像度が高いときにDLSSを使っても完全に処理負荷の解消にならないことがあるので注意が必要です。
高解像度でfpsを上げたいときはレイトレーシングを低めの設定にするか、オフにすることをおすすめします。
Call of Duty MW2
Cod MW2のfps計測は、実際にドミネーションをプレイして計測しています。マップやプレイスタイルによってfpsは上下するので、参考値としてご覧ください。
Cod MW2は処理が重たく、フルHDでもRTX 3060Ti以上が理想のFPSゲームです。
フルHDでRTX3070を使っても、グラフィック設定を高くすると130fps程度まで落ち込むため、処理が重たいFPSであることがわかります。
CodMW2 平均fps結果 | RTX3070 | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(最低) | 166 | 208 |
フルHD(極限) | 133 | 174 |
WQHD(最低) | 142 | 188 |
WQHD(極限) | 101 | 128 |
4K(最低) | 83 | 114 |
4K(極限) | 52 | 79 |
フルHD(最低)ではどちらも平均144fps以上出ています。
WQHDでプレイするなら、RTX 4070の方が平均fpsが高く安定します。
Codを本気でプレイするならRTX 4070を推奨します。
DLSSのテスト
Cod MW2はNVIDIA DLSSが使えるので、RTX4070のWQHD最低設定でどこまでfpsが上がるかテストしてみました。
RTX4070 | DLSS オフ | DLSS オン |
---|---|---|
WQHD(最低) | 188 fps | 213 fps |
WQHD(極限) | 128 fps | 168 fps |
WQHD(最低)で、リスポーンのときは190fps前後まで落ち込みますが、それ以外は200fps以上を維持していました。
DLSSはフレームレートが上がりますが、画面全体が少しボヤっとした印象になります。画像にシャープさが無くなり、シーンによっては相手が見えづらくなるので注意してください。
- フルHDでプレイするなら、RTX 3070でOK。
- WQHDでプレイ、本気で勝つためならRTX 4070推奨。
- fpsを優先するならシャープネスが弱くなりますが、DLSSオンも視野に入れる。
Cod MW2の内容はこちらの記事でくわしく紹介しています。
ファイナルファンタジー15
FF15専用ベンチマークソフトで計測しています。
FF15は発売当時からグラフィックが重たいゲームと言われてきました。最近はグラフィックボードの性能が高くなってきたので、フルHDなら非常に快適の判定が出やすくなりました。
スコアが12000以上で非常に快適の判定
FF15ベンチマーク | RTX3070 | RTX4070 |
---|---|---|
フルHD(標準) | 非常に快適 | 19047非常に快適 | 22722
フルHD(高画質) | 非常に快適 | 13936非常に快適 | 17277
WQHD(標準) | 非常に快適 | 13021非常に快適 | 16579
WQHD(高画質) | とても快適 | 10331とても快適 | 13055
4K(標準) | 7034 快適 | 8544 快適 |
4K(高画質) | やや快適 | 59977318 快適 |
フルHDならどちらも非常に快適判定。WQHD以上はRTX 4070が推奨です。
ゲーム別ベンチマーク結果まとめ
ゲームによってバラつきはあるものの、基本的には以下を基準に考えれば快適な環境が作れます。
- フルHD:RTX 3070
- WQHD:RTX 4070
- 4K:RTX 4070(グラフィック調整あり)
ベンチマークの結果から、RTX 3070もWQHDまでならそこそこ遊べ、RTX 4070を使えば高いfpsが出せ、より快適に遊べることがわかります。
一瞬で勝負が決まるFPSゲームのようなゲームをプレイするなら、RTX 4070を推奨します。ライバルとのfps(フレームレート)による差を無くし、勝てる環境を作りましょう。
その他のRTX4000シリーズをこちらの記事でまとめています。こちらも参考にしてください。
3DMarkの結果:RTX3070 対 RTX4070
3DMarkのベンチマークを紹介します。
ベンチマーク結果を見るとRTX 4070の性能が高いことがわかります。
Speed Way
Speed WayはDirectX 12 Ultimateの性能をテストするベンチマークです。
RTX 4070の方が性能が高い結果となりました。
Port Royal
Port Royalはリアルタイムレイトレーシングのパフォーマンステストです。
Speed Wayと同じく、RTX 4070の方が性能が高い結果でした。
全体的にRTX4000シリーズのスコアが高いことから、レイトレーシングコアの進化が見られます。
Time Spy
Time SpyはDirectX 12ベンチマークテストです。
Time Spy Extremeはレンダリング解像度が4K(3840×2160)です。
Time Spyも同じくRTX 4070が高い性能を出しています。
Fire Strike
Fire StrikeはDirectX 11ベンチマークです。
RTX 4070の性能は高く、どの解像度でも一番高い結果でした。
メモリバス幅の影響か、解像度が高くなるとRTX 4070のスコアが伸びにくくなっています。それでもRTX3070より高いスコアを出しているところは注目。
NVIDIA DLSS feature test
NVIDIA DLSS2のテスト。面解像度をフルHDに設定して計測をしました。
RTX 4000シリーズで使えるDLSS3のテスト結果はこちら。DLSS3は4K解像度でテストをします。
AIによるフレーム生成で、フレームレートが飛躍的に伸びます。今後、対応したゲームも増えてくるので、効果は期待できますね。
3DMarkの結果からわかること
3DMarkを総合的に見ると、RTX 3070よりRTX 4070の方がグラフィック性能は40%高い結果となりました。
解像度が4KになってもRTX 4070の方が性能が高いことから、メモリ帯域幅の狭さ以上にクロックやメモリスピード、キャッシュの高速化が効いていることがかわります。
仕様の比較
RTX 4070はRTX 3070に比べ、メモリバス幅以外すべての性能がアップしています。
クロック数やVRAMの容量などもRTX 4070は強化されており、ベンチマークでもわかるように全体的に性能が高くなっています。
RTX 4070 | RTX 3070 | |
---|---|---|
CUDAコア数 | 5888 | 5888 |
ブーストクロック | 2480 MHz | 1730 MHz |
ベースクロック | 1920 MHz | 1500 MHz |
VRAM | 12GB GDDR6X | 8GB GDDR6 |
メモリスピード | 21Gbps | 14 Gbps |
メモリバス幅 | 192-bit | 256-bit |
メモリバス帯域幅 | 504 GB/s | 448 GB/s |
レイトレーシングコア | 第3世代 | 第2世代 |
Tensorコア | 第4世代 | 第3世代 |
アーキテクチャ | Ada Lovelace | Ampere |
インターフェース | PCI-E 4.0 X16 | PCI-E 4.0 X16 |
DLSS | DLSS 3 | DLSS 2 |
ポート | HDMI 2.1a x1 DisplayPort 1.4a x3 | HDMI 2.1 x1 DisplayPort 1.4a x3 |
HDCP | 2.3 | 2.3 |
最大消費電力 | 200W | 220W |
システム電源容量 | 650W | 650W |
補助電源コネクタ | 12VHPWR PCIe x1変換コネクタ または PCIe x1 | PCIe x 2 |
発売日 | 2023年6月29日 | 2020年10月29日 |
ツクモ | RTX4070 | 販売終了 |
Amazon | RTX4070 | RTX3070 |
通常、メモリバス幅が狭くなることで、解像度が高くなるとフレームレートが出しにくくなる傾向が強くなります。
RTX3070とRTX4070の比較においては全てRTX4070の方が性能が高い結果になっています。
RTX4070は消費電力が抑えらえているため、RTX 3070より気代の節約につながります。
RTX3070とRTX4070の発売日と平均価格
RTX 4070が9万円前後。RTX3070は7万円前後です。(2023年9月現在)
フルHD~WQHD中画質ならRTX3070で十分なフレームレートが出せます。
FPSゲームや、より高いfps(フレームレート)を出すならRTX 4070と考えましょう。
RTX 4000シリーズはDLSS3と消費電力の少なさがポイントです。新規でグラボやゲーミングPCを購入するなら、将来性のあるRTX 4000シリーズの検討を推奨します。
電源要件と物理的なサイズ
この記事で紹介したRTX 3070とRTX 4070は以下の2機種。それぞれの電源の要件と本体サイズをまとめました。
製品 | 消費電力 | システム電源容量 | 本体サイズ |
---|---|---|---|
Palit GeForce RTX 3070 GamingPro(販売終了) | 220W | 650W | 約294 x 112 x 60 mm |
MSI GeForce RTX 4070 VENTUS 2X 8G OC | 200W | 650W | 約242×125×43mm |
どちらもミドルタワーのPCケースなら入ります。スリムケースやミニケースを使う場合、対応サイズを確認してください。
ゲーミングPCとグラボ検索
RTX 3070とRTX 4070搭載のゲーミングPCを紹介します。
グラボをお探しの方は、ゲーミングPCリストの下にある検索用リンクをご利用ください。
RTX 3070 搭載ゲーミングPC
メーカー 商品名 | 仕様 | 価格 | 評価 | 備考 |
---|---|---|---|---|
FRONTIER FRGH670/Q3 | CPU:Core i7-13700F グラボ:RTX3070 チップセット:H670 SSD:1TB NVMe メモリ:DDR4 32GB 電源:850W (80PLUS GOLD) | 242,800円 | 送料2200円~4400円。 |
FRONTIER FRGH670/Q3
参考価格:242,800円
チップセットにH670、DDR4 32GB、SSD 1TB NVMe。CPUクーラーにDeepcool AK400が採用されています。メモリが32GB搭載されているので配信や動画編集、画像加工など、クリエイティブ作業でも快適。電源が850Wあるので、パーツの増設やグラボアップデートにも対応できます。長く使えるゲーミングPCです。
RTX3070グラボ検索
RTX 4070 搭載ゲーミングPC
メーカー 商品名 | 仕様 | ゲーム /配信 | デザイン | 静音性 | サポート | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
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RTX 4070の詳細なレビューを、こちらの記事で紹介しています。詳しく知りたい方は参考にしてください。
もう少しパワーがほしいならRTX 4070 SUPER
RTX4070では少し性能不足。もう少しパワーがほしいだよな・・・
という方は、RTX4070SUPERが合うかもしれません。
RTX 4070とRTX 4070 Tiのちょうど中間の性能になっています。
RTX 4070 SUPERの性能をレビューしているので、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ:RTX3070とRTX4070はどっちを選ぶ?
RTX 3070よりRTX 4070の方が30%~40%高いグラフィック性能を持っています。
- コストを抑えつつ、そこそこ快適に遊ぶならRTX3070。
- 消費電力を抑えつつ、本気でゲームをしたいならRTX 4070
RTX 3070、RTX 4070ともにWQHDがメインターゲットのGPUです。フルHDで使えば、とても高いfps(フレームレート)を出すことができます。
RTX 3070の方が1万円前後安く買えるので、そこそこ快適な環境で良い人はRTX 3070を選ぶとよいでしょう。
FPSゲームなどで高いfpsを求めるならRTX 4070を推奨します。勝ちにいくなら、PC環境で負ける要素を無くしておきましょう。
RTX4070とRTX3080を比較した記事はこちら。RTX4070がRTX3080に近い性能を持っていることがわかります。
RTX 4000シリーズの性能と選び方をまとめた記事はこちら。今後、主流になるGPUを見たい方は参考にしてください。
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