「レバレッジの意味をわかりやすく知りたい!」
「どんなリスクがあるのかな?」
「適切なレバレッジのかけ方は?」
FXの魅力のひとつでもあるレバレッジ。しかし正しい使い方を知らないと、大損だけでは済まなくなる場合もあります。
少額で大きな金額を取引できるレバレッジですが、リスクや適切な倍率を知らないで取引するとロスカットされる危険性もあるので要注意です。
今回はFX初心者でもレバレッジの意味を理解したうえで、適度な倍率で安全に取引できるよう詳しく解説。
この記事を読めばレバレッジの仕組みから正しい使い方までわかり、安全にFXを行えるようになります。
- レバレッジの意味と計算方法
- レバレッジのメリットとデメリット(リスク)
- レバレッジ別の証拠金シミュレーション
- 証拠金維持率との関係
- 正しいレバレッジのかけ方
レバレッジとは?意味をわかりやすく解説!
レバレッジ(leverage)とは、てこの原理のことで、「少ない投資元本(証拠金)で大きな資金を運用できる仕組み」を意味します。
FXでは最大25倍のレバレッジを使えるので、1万円を元手にした場合、25万円の大きな取引ができます。
FXが個人投資家に好まれるのは、株(3倍)よりレバレッジの最大倍率が高く、少ない元手でも大きな利益を狙えるからです。
その反面、取引金額が大きくなりやすく、損失も大きくので注意が必要です。
投資資金の25倍のトレードができる仕組み。それが「レバレッジ」だ!
レバレッジの計算方法
レバレッジ倍率は、次の計算方法で数値を出せます。
【レバレッジ=(通貨ペアのレート×取引数量)÷口座資金】
「倍率をいくらかけるか」というよりは、「取引数量と口座資金の関係」によってレバレッジは決まります。
そのため上記の関係を理解して、倍率を自分で管理できるようになりましょう。
レバレッジのメリット 投資資金が小さくなる!
- 取引に必要な資金を小さくできる
- 投資効率を高められる
レバレッジは元手よりも大きな金額を取引できる仕組みですが、逆を言えば「取引に必要な資金を小さくできる」とも言えます。
例えば1ドル100円のときに1万通貨を取引する場合、通常なら100万円の資金が必要です。
しかしレバレッジを最大にすれば【100万円÷25=4万円】となるため、取引に必要な資金を最大で25分の1にできるんです。
また1円の変動で1万円の利益が出るとすると、レバレッジを25倍にすれば取引数量も25倍まで増やせ、利益は25万円となるため、投資効率を上げられるメリットもあります。
レバレッジのデメリット 損失になるとどうなる?
- レバレッジの分だけ損失も増える
- ロスカット(強制決済)されやすくなる
レバレッジをかけた取引は、少額の元本で大きな利益が見込める反面、損失も大きくなります。
取引量が増える分、利益と同じように損失も増えるため、ハイリスク・ハイリターンな取引になるんです。
またレバレッジをかけるほど口座資金に余裕がなくなり、ロスカットされやすくなるリスクもあります。
含み損に耐えられる金額はレバレッジが高いほど小さくなるため、ロスカットまでの猶予もなくなってしまうんです。
ロスカットについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
合わせて読みたい:ロスカットとは?証拠金維持率が100%を下回ると強制決済される
最悪の場合、借金もあり得る
「ロスカットがあるから証拠金以上の損失は出ない」と甘く見てはいけません。
相場の動きによっては、ロスカットが間に合わないこともあるからです。
あまりにも急激な相場の大変動があると、FX会社のシステムが追い付かずにロスカット水準から大きくずれて決済されてしまうことがあります。
その場合、証拠金以上の損失が出る恐れもあり、FX会社より追加証拠金を請求されます。
口座資金がマイナスになるということは、一時的にFX会社に借金しているのと同じだ。
レバレッジは適切な倍率で取引するのが大切だぞ。
いくらで取引できる?レバレッジ別の証拠金シミュレーション
1万ドルを買う場合に必要な資金(証拠金)は下記の通りです。
レバレッジ (ドル/円=100円) | 必要資金 (証拠金) |
---|---|
1倍 | 1,000,000円 |
3倍 | 333,333円 |
5倍 | 200,000円 |
10倍 | 100,000円 |
25倍 | 40,000円 |
通常であれば1万ドルを購入するには100万円の元手が必要となりますが、FXなら4万円の証拠金で取引でき、少額で大きな運用ができます。
レバレッジと証拠金維持率の関係
レバレッジを高くするとロスカットされやすくなるのは、証拠金維持率が低くなるからです。
なぜなら、ロスカットは証拠金維持率を条件に執行されるからです。
【証拠金維持率とは】
証拠金維持率とは、必要証拠金(レバレッジを25倍かけた取引に最低限必要な資金)に対する純資産(含み損益を加えた口座資金)の割合を示す数値です。
【証拠金維持率=純資産(口座資金)÷必要証拠金(レバレッジ25倍かけた取引に最低限必要な資金)×100】
この数値を見ることで、取引の水準やロスカットまでの猶予を把握できます。
例えば、米ドル/円を1ドル100円のときに1,000通貨取引する場合の例を、レバレッジなしと25倍で見てみましょう。
【レバレッジなしの証拠金維持率】
(100円×1,000通貨÷1)÷4,000円×100=2,500%
【レバレッジ25倍の証拠金維持率】
(100円×1,000通貨÷25)÷4,000円×100=100%
このように、レバレッジは高い方が証拠金維持率が低くなります。
ちなみに、ロスカットの条件は証拠金維持率100%・50%など各FX会社ごとに異なるので、事前に確認しておきましょう。
レバレッジ別の証拠金維持率
レバレッジ別の証拠金維持率を記載するので、取引する際に参考にしてみてください。
レバレッジ | 口座資金 | 証拠金維持率 |
---|---|---|
1倍 | 1,000,000円 | 2,500% |
3倍 | 333,333円 | 833% |
5倍 | 200,000円 | 500% |
10倍 | 100,000円 | 250% |
15倍 | 6,666円 | 166% |
20倍 | 5,000円 | 125% |
25倍 | 40,000円 | 100% |
正しいレバレッジのかけ方とは?取引における2つのポイント
レバレッジをまったくかけずに取引を行うトレーダーは少ないです。
資金効率を上げるためにも、適度なレバレッジをかけた取引を行う必要があります。
そこで重要なのが、どうすれば上手にレバレッジを付き合っていくかです。レバレッジをかける取引のポイントは次の2つ。
- 証拠金に余裕を持たせる
- レバレッジは1~3倍に抑える
これらのポイントを実践すれば、証拠金維持率を高い水準に保てます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
証拠金に余裕を持たせる 目安は300%以上
取引を行う際は、証拠金を多めに入れておくようにしましょう。
証拠金に余裕を持たせれば、証拠金維持率を高い水準に保てるからです。
例えば、米ドル/円を1ドル100円のとき1,000通貨取引する場合、口座にいくら預け入れるかで証拠金維持率が変わります。
口座資金 | 証拠金維持率 |
---|---|
4,000円 | 100% |
10,000円 | 250% |
11,111円 | 277% |
12,500円 | 312% |
1,666円 | 416% |
20,000円 | 500% |
一般的に、証拠金維持率の目安は300%以上と言われています。入金するときは、現在のレートで証拠金維持率が300%以上になるようにしましょう。
レバレッジは1~3倍に抑える どんなに高くても5倍まで!
FX初心者は、レバレッジを1~3倍に抑えることをおすすめします。
なぜなら、レバレッジ3倍までならそう簡単に証拠金不足にはならないからです。
先述した米ドル/円1,000通貨の取引であれば、レバレッジ3倍で取引するなら証拠金維持率は833%とかなり余裕があります。
この範囲での取引に慣れて物足りなくなっても、レバレッジは5倍を上限にすれば証拠金維持率は500%の水準です。
300%が目安とは言ったが、証拠金維持率は高いほど安全だ。
無理な取引は絶対にせず、慣れてきたら徐々にレバレッジを上げていくやり方が良いぞ!
レバレッジ まとめ
レバレッジは少額からの投資を助ける心強い見方です。しかし使い方を誤ると、手痛いしっぺ返しを食らいます。
この記事で紹介したレバレッジをかけた取引のポイントを実践に取り入れて、上手にリスクとリターンをコントロールしましょう。
では今回のおさらいです。
・レバレッジは少額の元本で大きな資金を運用する仕組み
・投資資金の最大25倍の取引ができる
・レバレッジを上げた分だけ、利益も損失も増える
・証拠金維持率は300%以上を目安にしよう
・初心者は1~3倍のレバレッジで取引しよう
利益ばかりに目が行ってしまうと、リスクコントロールがおろそかになります。初心者はまず、「どれだけ損失を抑えられるか」を意識しましょう。
小さく負けて大きく勝つ、そんなトレーダーを目指してくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。